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SDGs 2021年12月21日

世界最大のスラムがある国で何ができるのか(後編)

さて、後編に入ろう。この視察で心に響いていたのは、孤児院の事とし尿処理やゴミ処理の遅れの問題である。HIVに感染した子供たちや身寄りのない子供や親が育てきれない子供たちのために孤児院を国からの要請を受けてACEF(アフリカ児童教育基金)が運営していた。国からの補助はほとんどなく、ACEFに寄せられた寄付金などで賄うしかないと聞いた。ACEF代表の塩尻さんの心配事は、その子どもたちが大きくなった時のこと。ACEFが運営する孤児院はケニアの北東にあり、働く場所はほとんどないところ。塩尻さんの希望はその孤児院の近くに働く場所をつくりたいということ。孤児院は大自然の中にあり、土地は広大にある。そこにオーストリッチファームやアスレチック施設などの観光施設を自らの手でつくり地域の経済を活性化するとともに孤児院の子供たちが生計を得るということ。私がケニアの旅行にお声掛けいただいた一つには、そのプロジェクトに何かしらのお役に立てることではないだろうか。その施設には人々が憩いの場とするレストランも必要だし、接客の教育も必要である。せっかく、日本の飲食業で経験を積んできたからには、日本のおもてなしの心を伝えることはできるのではと思う。孤児院の施設見学とプロジェクトの予定地を視察させて頂いた。何ができるかという問いのヒントを頂いたような気がした。

また、スラムのゴミ問題は深刻である。スラムのゴミやし尿が川や池を汚染している。そのし尿の栄養分がホテイアオイなどの水草を大量に繁殖させ、魚などの生き物が住めない環境悪化につながっている。ホテイアオイで覆われた池は枯れたホテイアオイやゴミが堆積し次第に陸地化するという悪循環を生み始めている。ホテイアオイを除去してバクテリアで分解し有機肥料に変えることで農産物の生産に結び付ける試みを行っていると塩尻さんから聞いた。フラミンゴで有名なビクトリア湖もホテイアオイの被害は深刻である。次回のケニア訪問の際はビクトリア湖の清掃活動を共にするよう依頼された。私の役割は、視察で感じたことや気付いたことを多くの日本をはじめ世界の人に知ってもらうこと。そして一人でも多くの人が自分にできることを考え、そのことを行動に移していくことが大切だと感じた。数年後、ケニアではプラスチックやビニール製品が海外から輸入されゴミ処理がおいつかず街中がプラスチックやビニールゴミであふれかえっていた。ケニアではすでにレジ袋は廃止されていた。

 

日本に帰国してから、縁あって会社のCSR担当になった。飲食業ではプラスチックストローなどの環境問題が問題視されており、ドリンクバーのストローを紙製に変えたり、かき混ぜるのはプラスチックストローから木製のマドラーに変えたり試行錯誤が始まった。昨今、地球温暖化による異常気象や環境悪化が取り上げられSDGsに対する取り組みが加速しているように思う。大切なことは、誰かがやってくれるのを待つのではなく、自ら当事者意識をもってできることから始めることではないのだろうか。

私なりにできること。2030SDGsファシリテーターの資格をとり、カードゲームを通じて多くの人に持続可能な地球を考えてもらい行動を起こしてもらうこと。鎌倉でお世話になっている店舗の近くに由比ガ浜がある。月1回有志が集まってボランテイアでゴミ拾いをすること。

ゴミを分別してリサイクルできるものはリサイクルするようにすること。近い将来、ケニアにいってビクトリア湖の清掃活動をすること、プロジェクトに加わっておもてなしの心をともに学びあうこと。たとえどんなに不可能に見えても自分が一歩を踏み出すこと。小さな一歩の積み重ねが多くの人の行動につながりますように。そんな自分でありたい。最後に、塩尻さんはコロナウイルス感染症により本年4月にケニアでご逝去された。ご冥福をお祈りするとともに、その志を大切にしていこう。

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